新しい秩序の時代

提供: 有限会社 工房 知の匠

文責: 技術顧問 大場 充

更新: 2019年8月8日

目的とねらい
20世紀までの現代社会の倫理観や道徳観は、長く続いたヨーロッパの中世に少しずつ積み重ねられた人々の思想を基礎とした、ヨーロッパの倫理思想が基になり、18世紀に宗教改革を経たオランダやイギリスで始まった資本主義経済と、イギリス発祥の産業革命が統合した科学技術、資本主義、帝国主義の時代に形成された価値基準が基になってきました。その価値基準を我々は「世界秩序」と呼びます。しかし、2000年以降の21世紀の世界では、その従来の世界秩序では容認できない世論が各国で台頭しつつあります。科学技術の著しい進歩と、資本主義経済の限界を知らない貪欲さの追及は、これまでの世界では考えられなかったような人工物を作り出したり、金融サービスの新概念を生み出しました。コンピュータの開発によって、人間と機械の間の壁は、今や境目があやふやになり始めています。そのような社会では、人間の行為だけに焦点を当てていた従来の「秩序」では、我々が生きる社会を矛盾なく営んでゆくことが不可能になるでしょう。今、人間社会は新しい秩序を模索し、打ち立てなければならない大きな歴史的転換点に立っています。ここでは、従来の秩序を振り返って考え、新しい時代の秩序に何が必要なのかを考え、議論します。